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第11話 多田富雄先生の免疫論に学ぶ

順天堂大学医学部免疫学の教授であった。

業績 サプレッサーT細胞の発見

免疫を考える時、すぐに想像するのが、体内に進入した異物(菌、ウイルス、花粉、硫黄酸化物、動物の上皮、カビ、ほこり等)への立ち向かう兵隊(白血球、リンパ球、抗体、マクロファージ 等)

考えてみれば、我々の体に入る物は全て異物。
害になるものもあれば、無害なものもある。
又、役に立つものもある。

リンパ球の中には、むかえ打つ兵隊ばかりでなく、これは無害だから、これは役に立つものだから、ほっておけという指示をするリンパ球もいる―サプレッサーT細胞

大変ユニークな学者さんで、いろいろな場面(我々の日々の生活)において免疫論と結びつけた人
・地球免疫論
・心の免疫論 等が有名

1.地球免疫論

地球には熱がある。潮の満ち引きで呼吸をしている。そして、自転して動いている。しかも、有限の命を持っている。これは正に生命体である。
そして、その生命体の上で、他の動物や植物と共に寄生生物として暮らして来たのが人間である。
少なくとも、最初は人間も、地球から、敵意を持たれる存在ではなかった。
しかし科学の進歩というものを信じはじめ、大運河を掘って海を汚し、核実験で大気を汚染。熱帯雨林の伐採で緑を地球から追いやり、ありとあらゆる方法で地球の生命体を危機に陥れることをくり返した。我々はそれを文明の進歩と素直に信じた。やがて地球という生命体は、人間を異物と考えはじめた。天候の異変、ゲリラ豪雨、地震等、こういったものの頻発は何を意味するのか。
人間は、この地球上の主人公であるかのようにふるまった。その帰結が今度は地球という宿主から拒絶されるという結果をもたらしているのではないか。
人間の病と同じように、地球は、地震、火山爆発、台風など様々な天災を内包している。
その被害をできるだけ、少なくするように、地球が発する予兆に耳を澄ませ、地球と自然と調和して生きていかなくてはならない。
この考え方は恐ろしい予感をはらんでいるのかもしれない。科学の最先端にいる人は無意識のうちにそういった恐怖を感じとっているのではなかろうか?

2.我々も実は、四百四病を内包している。毎日、異型細胞は出きる。日々脳細胞は10万個ずつ死滅する。年令と共に機能も低下。病気は無から出てくる訳ではない。己が抱えている病気を出さないよう工夫に努める。病気も決して外からやってくるものではない。

立ち止まって考える。体の声を聞く。そして地球の声を聞く。