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第13話 キレイ社会を考える

抗菌、除菌が良いとされキレイ社会を目指して、実は25年経つ。その過程で寄生虫だけでなく細菌もウィルスも体内に侵入する機会はめっきり減った。その結果、それまで体内にで活躍してきた様々の免疫細胞が失業してしまい、それ故にアレルギー疾患が増えたことも忘れてはならない。
人間社会でも、職もなくぶらぶらしている暇な人間というのは何かと問題を起こす。
それと同じで、暇になった免疫細胞が従来は相手にもしなかった異物に反応して抗体をつくるようになってしまったのだ。花粉に対する花粉症。ハウスダスト、ダニの死体に対する喘息やアトピー。

食物アレルギーについても、添加物に対するアレルギーだけとは限らない。3大栄養素は、酵素と腸内細菌によって糖質ならブドウ糖、タンパク質ならアミノ酸、脂肪なら脂肪酸に分解され、小腸の繊毛細胞から吸収される。しかし、抗生剤等の乱用で腸内細胞層も影響を受け、例えばタンパク質であればその最小単位のアミノ酸に分解されず、アミノ酸がいくつかに結合した状態でとどまっているものもある。アミノ酸一個そのものであれば、異物認識されないものが、アミノ酸4〜5ケの結合体であれば、最終吸収産物で無い為、これらを異物認識してアレルギーが発生するのである。何も外因性の化学物質、添加物だけが原因ではなく、最終吸収産物に分解できない内因性の原因も多々あるのである。

その実例をひとつ紹介しよう。

<問>

何故、大腸菌O-157は学校給食で猛威をふるったのか?

<答>

我々は大腸菌を窮めて厄介な菌と思い、汚染の指標にした。
抗生物質や殺菌剤でいじめた。
しかし大腸菌も生き物である。生き延びることに必死である。
そのため遺伝子を変えながら、約200種類の変種を生み出した。
その157番目に生まれたのがO-157である。
そして、このO-157は毒素を産生する菌で、全エネルギーの70%を毒素の産生に消費し、残りの30%のエネルギーで生きている生命力の弱い菌である。それ故、雑菌の多いところでは生きていけないのである。
屋台や、我屋の台所のように雑菌だらけの所では、すぐに雑菌に殺されてしまうのである。
だから雑菌のいない世界一きれいな学校給食の場で猛威をふるったのである。
その運び屋と言われたのがカイワレ大根である。これまた、無菌状態で育った野菜である。
土に生えた状態であれば色々な菌がいるので、O-157などは、すぐに雑菌に殺され運び屋にはなれないのである。かくしてO-157は感染を拡大できたのである。

O-157が存在するのは日本とキレイ社会である。アメリカ、ヨーロッパだけである。
インドネシアには存在しないそうである。

続きは当院での免疫勉強会でその詳細を話します。