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第15話 ある女性からの質問に思う

ある女性から 美白(肌の色)と睡眠について悩みがあるとの相談を受けた。
一見、まったく関連がないように思える2つの相談であるが、実はその悩みの根っこは同じである。

「人間の体を一番おかしくした文明の利器は?」という質問をすると90%の人は車を上げる。確かに車を使うことでカロリー消費は減るし脚力も落ちる。メタボの原因の確かにトップに上げられる。次に上げられる文明の利器はエアコンである。このところ体温低下と免疫の関係を取り上げる本も多いためであろうか? しかし免疫に携わる医者から見ると、もっとも我々の体をスポイルしたのは、人工照明である。これによって我々の体内時計は狂い、生態のリズムが変調をきたし、世の睡眠学者は人工照明のことを「エジソンの呪い」と言う位である。

現代人は特に、太陽を浴びない。最も日光にふれる時と言えば、朝の通勤時間帯であろう。
太陽を浴びると脳内から「メラトニン」と言うホルモンが分泌されることは殆どの人が知っている。このメラトニンが分泌されるから人は眠くなるのである。もうひとつに、メラトニンが持つ作用が、いわゆる美白効果なのである。 メラトニンの語源を考えてみよう。
「メラ」と「トニン」の合語である。
「メラ」はメラニンから取ったわけであるが、メラニンは皮膚を黒くする色素で、これが沈着すると肌が黒く日に焼けた状態になる。実は、このメラトニンはメラニンを代謝する作用を持っている。その証拠に牛の脳内のメラトニンを集めカエルに注射すると、カエルの色素が減少し、カエルの皮膚が透き通る状態になることが知られている。正に逆である。太陽を浴びて脳内からメラトニンが分泌されると、メラニンが減少されるはずなのである。
しかし美白を求める女性は逆に太陽を避けるのである。
確かに太陽に当たると、メラトニンと言う色素は増えるのであるが、皮膚の新陳代謝のサイクルは約28日で、28日経過すれば皮膚の細胞は入れ替わるのである。要は太陽を浴びて日焼けしても28日で皮膚が入れ替わるから、日焼け跡が残り黒さが取れるのである。実はメラトニンは、肌を白くするホルモンだったのである。日焼けが残るのは新陳代謝の低下のせいだった訳である。 新陳代謝の低下が問題なのである。太陽を避ける。メラトニンが出ない。眠くならない。睡眠不足になる。当然ながら新陳代謝は低下する。皮膚細胞のいれかわりが遅れる。一方、メラトニンが出ない分、メラトニンと言う色素の代謝が遅れる。
あえて「日光浴をしなさい」と、言うつもりはないが、もう少し太陽に浴びても良いのではないだろうか。

もうひとつの語源はセロトニンである。セロトニンの「トニン」ををとってメラトニンと名づけたのである。セロトニンはうつ病を予防する脳内の神経伝達物質で、これまた太陽を浴びないと分泌されないのである。だから「引きこもると」更に太陽を浴びることが少なくなり、その分メラトニンそしてセロトニンも不足し負の循環に入ってしまう訳である。

こうやって考えてみると人工照明が「エジソンの呪い」と言われている訳がおわかりいただけると思う。

さて詳しい内容は、次回からの話を参照してもらいたい。