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第16話 太陽を浴びなくなった現代人(その1)

これから何回かに分けて「太陽と免疫」について解説させていただこうと思う。

文明の利器の中で人間生活を一番変えたものは?と聞くと様々なる答えがかえってくる。ある人は車を挙げ、ある人はエアコンを挙げる。 どれも間違いではない。車によって人は歩かなくなったし、エアコンで快適ではあるものの低体温となり、どれをとっても重大な影響である。 しかし最も一変させたものとなれば、やはり人工照明であろう。それまでは太陽が出ている間に仕事をしなければならなかったし、陽が登るとおきて、 日が沈むと家に帰ることを余儀なくされた訳である。人間の体内時計も研ぎ澄まされれていた。我々は人工の太陽を手に入れた。 しかし蛍光灯は太陽の代わりにはならないのである。げんだい人は太陽の有り難味をすっかり忘れ、オゾン層の破壊に余計な説解をし、太陽を大敵として取り扱っている。 この十数年、美白ブームが定着し、日焼けを恐れ、太陽を避ける傾向となった。しかし、沖縄や赤道直下に皮膚癌が多いと言うデータは何処にでもない。

昔から太陽にまつわる格言は多い。

-  ドイツ格言       光なければ生命なし。
-  イタリアの医師     太陽の入らない家には医者が来る。
-  ヒポクラテス      日光と光の熱は全ての創傷に効果がある。
-  ナイチンゲール     病棟の設計には日光と風通しをまず考慮すべきである。

我々も「太陽と免疫」については「体温と免疫」として、18年前から敬称を鳴らしている。
睡眠学者は声をそろえて人工照明のことを「エジソンの呪い」という。

まずは太陽光についての一般的知識を再確認しておこう。
太陽光は次のスペクトルになっている。

紫外線 >紫 藍 青 緑 黄 橙 赤< 赤外線
>波長が短くなっている--波長が長くなっている<

紫から赤までが可視光線でおかげで昼、夜を知り 交感神経、副交感神経の切り替えも出来るのである。
紫外線の役目は、[殺菌]と[ビタミンDの生成]である。 14世紀、ヨーロッパにおけるペストの蔓延を食い止めたのは日光である。

日光消毒が決め手となった。
(ペストが細菌による病気であることも、紫外線に殺菌作用があるとも知られていない時代にである。)

17世紀、英国でクル病が広がった。当時は原因不明で実にその後難病、不治の病として250年間放置されていたのである。 1919ねん、小児科医のハルシンスキーが皮膚病の治療の為、紫外線をかけたらクル病でも治った事が、クル病解明の糸口となった記録がある。 このビタミンDは、なかなか食事からの摂取が難しいのであるが、その代わりに体内に蓄積され、主に腸からのカルシューム吸収の働きをしている。 (ビタミンDは脂溶性ビタミンである。水溶性ビタミンは、体内で蓄積されないことを覚えていこう。) 皆さんは「夏場にしっかり日光を浴びると冬に風邪を引かない」という格言を聞いたことがあると思う。その理由、根拠がまさにこのビタミンDの蓄積である。 紫外線を浴びないと カルシウム不足から骨粗鬆症、骨軟化になりやすい他、カルシウム不足からのイライラ、又、疲れやすい症状が、見られることになる。

赤外線の役目は何と言っても[熱を産生]することである。
赤外線の浸透度は15cmにも及び、頭蓋まで通る。
それ故、血管拡張から血流の増加が見られる。

赤外線を浴びないと低体温、血流低下を招き易いと見ておくと良い。
これらは、太陽光線の直接作用である。次回は太陽光線を浴びることによっていかなる重要な変化が体内で起きているかその話をしよう。いよいよ、太陽がいかに我々の体に影響を与えているかの話である。

いずれにせよ、人類だけでなく、地球上の全ての命が太陽によって生まれ現在に至るまで生かされている。日陰に生えている植物は、どんなに肥料を与えても生育が悪い。 人類は、今ある文明の全てを失っても全滅しないが、太陽が消えたら生きる術はない。 期限前、エジプトでは王の事をファラオと称した。ファラオとは「太陽の子」という意味である。