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第17話 太陽を浴びなくなった現代人(その2)

[体内時計の調整とメラトニン]

 体内時計は脳の中に存在する。
 それを調節するのがメラトニン(脳の中の松果体から分泌)というホルモンである。
 朝、太陽光線が目に入ると、脳の奥の松果体にその刺激が伝わりメラトニンというホルモンが分泌されなくなる。
 これによって覚醒スイッチがONとなり、血圧、心拍、尿量等、又、自律神経、精神状態の生命現象のリズムは
 反対に日が暮れて暗くなると、メラトニンが分泌され、生体リズムは睡眠や体息に適したものになる。
 メラトニンは体の臓温に夜のON、朝のOFF を知らせる役目である。


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[メラトニンの役目]


 睡眠を誘発  感情、情動の調整(ストレスの緩和)  免役の活性

 下記の図2はメラトニンの24時間の分泌状態を示すものである。  夕刻、日が暮れ暗くなると体内時計はそれを察知し松果体にその事を告げメラトニンを分泌する。その血中濃度が上昇することで、やがて我々は眠りにつく訳である。そして、メラトニンは分泌開始から10〜12時間で分泌を中止し、午前7時くらいには血中濃度も0となり、我々は覚醒する訳である。






 そのメラトニンであるが年齢と共にその分泌量が減る。年齢と共に眠れなくなるのは、メラトニンの分泌量の減少の為なのである。





さて、図4は人工照明下で24時間飼育したラットのメラトニン分泌パターンである。 いかに夜間になっても、メラトニンが分泌されていないか、一目瞭然である。 自然採光がいかにメラトニンを分泌させるのかが証明されている。 一方で日が暮れ暗くなることでメラトニンの分泌は増加するのであるが、夜遅くなってもまだ光光とした人工照明下にいるとメラトニンは始まったもののその増加が抑えられることも証明されている。 夜になってもメラトニンが増えない、夜になっても眠くならない夜型人間の誕生である。
我々は無知なるのか奢りなるのか、人工照明で光光と照らし出す環境を作り上げてきた。その為、地球の持つ光と闇のサイクルを無視したのである。このような人工的な光は、体内時計、メラトニン の生成を乱すことになった。 年齢と共に益々日光にあたらなくなる。年を取って眠れなくなったら睡眠薬の前に日光浴である。日々太陽に当り、体内時計にメリハリをつけると少なくなったメラトニンも再度増えてくるものである。





メラトニンと心(精神状態) 松果体は丁度、脳の真ん中に存在し、メラトニンは、脳、血流関門というバリアを追加し、確実に脳細胞に影響することが知られている。
1700年 イタリアの解剖学者いわく。精神障害患者の松果体に異常が多い。 1950年 松果体からの抽出物を分裂病患者に注射すると改善が見られる。 1970年 スウェーデンの精神医師いわく。抑うつ状態の患者にメラトニンは低値である。
又、  坑欝剤のルボックスはメラトニンの生成をも促す薬である。     セロトニンとメラトニンは科学構造が類似。
我々が日常生活を快活に行うにはセロトニンという神経伝達物質が必要であることは有名である。 このセロトニンの分泌量は夜間のメラトニンの分泌量に左右され、夜間のセロトニン量が多いいことが知られている。 やはり、よく眠ることが出来れば昼間、快活に過ごせるということである。
しかし近年、我々は知らず知らずおうちに太陽と疎遠となり、光の欠乏から起きる健康障害に苦しむ事となってしまった。しかし、その苦しむ現状が自然光の欠乏からであることを知らない。皮肉なことに 、オフィスで働く人が一番明るい光に当たるのは通勤時間帯である。
今一度、睡眠学者がこぞって言う「人工照明=エジソンの呪い」について、考えてみてはいかがであろうか。