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第18話 異型及び癌細胞の発生メカニズムを考える。(その1)

これから3回に渡って異型及び癌細胞の発生メカニズムを考えてみよう。そこに一つの真理を見つけることができると思う。

皆さんは「ハインリッヒの法則」を御存知かと思う。事故率についての法則で、300のヒヤリ・ハットの場面があると29の小さな事故が発生すると一つの大きな事故がおきる。という内容である。

これを我々の体に当てはめてみよう。

我々の体は60兆個の細胞から出来ていることは皆様方も良くご存知の事と思う。そして毎日6000億〜8000億個の細胞が体全体で入れ替わっている。即ち新陳代謝で古くなった細胞は除去され、新しい細胞と入れ替わる訳である。6000億〜8000億個という数字は天文学的数値で膨大な量であることはご理解いただけたと思う。

これだけの量の細胞個数が入れ替わる時、3000〜5000個の異型及び癌細胞が出来ても決して不思議なことではない。やむを得ない事故率である。この3000〜5000個の発生した異型及び癌細胞に罪はなく、又、体のメカニズムのトラブルで発生したものでもない。そして単純に偶発的に発生したものであるから、これらを0にすることも減らすことも出来ないのである。ハインリッヒの法則と同じである。だからといって発ガンしてよいというわけでもなく、発癌すると困る訳であるから、我々の体の中には免役というシステムが備わっている訳である。本来であれば、毎日出来る3000〜5000個の異型及び癌細胞は、全て自らのリンパ球が除去処理してくれる訳である。だから通常は発癌しないのである。

要するに発癌は
@ [この毎日出来る3000〜5000個の異型及び癌細胞] = A [毎日、リンパ球が除去する3000〜5000個の異型及び癌細胞]
の均衡が崩れた時なのである。

よく話題になるのは「免疫力の低下」である。
即ちAの低下故、未処理、即ち除去出来ない異型及び癌細胞が残る為、発癌していくメカニズムである。
低体温になれば毛細血管は収縮する。血管が収縮すれば組織へ漏れ出るリンパ球は減少し、組織内の異型及び癌細胞の処理は滞り、除去出来ない異型及び癌細胞が増加し発癌に結びつく。
更に血糖レベルが高いとか、中性脂肪、コレステロールが高く、また、肥満等、血液及び細胞が酸化に傾くと、リンパ球の能力そのものが低下する。いくらリンパ球の数が十分にあっても青の一つ一つのリンパ球の能力が低下しては何にもならない。この場合の能力は「異型及び癌細胞の除去」である。

かくして、通常は発癌に関してこのような発生メカニズムを考えるようであるが、私が申し上げたいのは@の増加である。即ち、毎日発生する異型及び癌細胞の増加である。この場合、百歩譲って、免疫力の低下がなくても残存、未処理、即ち除去出来なかった異型及び癌細胞の数は増加する。実はこれが発癌につながっている要因は大きい。まず@の増加のメカニズムを謙虚に理解し認めることである。

免疫力の低下は確かに存在する。しかし免疫力を超えた悪環境に自らを導いている実態はないのであろうか。

次回のお話では、そのことが解明、ご理解いただけると思う。