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第23話 ライオンは野菜を食べたがっているのか?

歯の構成から始まって、このシリーズも三話目となった。

今回の表題はなんとも奇妙な問いかけである。

ライオンに限らず肉食動物は野菜というより植物性食物を欲しがっているのか? 食べたいのか? 食べるのか? という問題である。 ただ動物は本能で生きている訳であるから、食べたいという意思表示はない。 用は必要であるか否かである。
答えは「必要である」である。

肉食動物というと、肉しか必要にしていないと思えるが、体は、本能は植物を必要としているのである。 ライオンの歯は、犬歯である。ということは植物を本能的に欲していても、とれを食べる歯を持ち合わせていないのである。それどころか、牛の場合と同様ライオンには植物を分解する酵素が存在しないのである。 全て休止である牛が動物性食物を分解する酵素を持ち合わせていなかったのと同じである。 野生の肉食動物が狩をする風景をよく観察してみると全てがわかります。肉食動物は当然、ほかの動物を襲う訳ですが、草食動物しか襲いません。そして殺した後、真っ先に食べるのが草食動物の内臓です。もうおわかりですネ。肉食動物は草食動物の内臓と共に、その中にある消化された植物、消化されつつある植物を食べる訳です。

「肉食動物は草食動物を食べ、草食動物は植物だけを食べる」

これが自然界の摂理なのである。

医学が進歩しているのに、病気のほうが増える。 医学が進歩し、診療が高度になって新薬も出てくるが、命の扱いが荒っぽくなっているように思える。 回復するときの情報を「薄皮を一枚一枚はぐように良くなる」と言ったものだが、我々は、いつしか、それが待てないようになっている。せっかちというか、じっくり自然を通して物事を見る姿勢がなくなってきている。 いろいろな病気があるが、我々の体は間違いを犯さない。しかし残念ながら我々は間違った生き方を選ぶことがある。それが知識を持つに至った人間と野生動物の違いである。野生動物は感覚で自分の生き方を選ぶ。知識が欲に汚されていない感性は間違うことはない。
しかし、我々の知識が悪いのではない。知識を持つに至った文明も文化も是、非では語れない。文明も必要である。

ただ我々に、今、必要なのは、感性を取り戻す知識であろう。