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第25話 菜食主義を検証する(その2)


菜食主義者が気をつけておくべきその他の栄養素

野菜中心の食事をしている人は、ビタミンB12とカルシウムの値を調べておくとよい。 ビタミンB12が不足すると、貧血や神経変性病変を起こすことが多い。 このビタミンB12は、穀類、草類、豆類、野菜類、果実類での含有量は殆ど0である。 それ故、菜食主義者はビタミンB12不足にならぬよう注意を払う必要がある。海洋性食品である海苔には多くの ビタミンB12が含まれており、菜食主義者にとって貴重な摂取源となるので覚えておくとよい。

人間の祖先はヴィーガン?

:ヴィーガンという言葉が生まれたのは1944年のことだが、約80万年前に人類が意図的に火を使うようになるま で動物由来の食物を口にすることはあまりなかったと思われる。考古学上の証拠から推測すると、それ以前の人 間は生肉をかむのに必要な咀嚼器官をもっていなかったと考えられる。 80万年はかなり長い年月のように思われるが、世界最古の人類の確認は700万年前なので、それからすれば肉が 人間の食生活に入り込んだのは進化の過程の比較的遅い時期である。 さらに人間の祖先である霊長類も大部分がヴィーガンであった。 霊長類の食べ物のうち野菜以外の5%を占めているのは肉ではなく、シロアリ、昆虫をはじめとする虫であった。

こうした虫は、霊長類が植物を摂取する際、間違って食べられた可能性が窮めて高い。 ヴィーガニズムは人間の本来の姿なのだろうか? 動物の行動をだれよりも知っているチャールズ ダーウィンはかつてこう言っている。

「人間の普通の食べ物は野菜である。」

このことは私がよく申し上げている「その動物の食性ははその動物の歯の構成によって決まる。」 ということによく合致している。 人間の歯は32本、そのうち犬歯は4本で残りは門歯、臼歯で野菜穀物を食するための歯である。 犬歯は動物性食物を食べる為の歯である。それからすると人間の食事の中で望ましい動物性食物の%は1/8  すなわち12.5%である。牛は全て臼歯でありそれ故動物性食品を食べない。食べないどころか、全て臼歯という ことは体内に動物性食物を消化する酵素を持ち合わせていないことを意味してるのである。それなのにかつて人 間は子牛の栄養分である乳牛を製品化に回しその代わりに「肉骨片」を食べさせたのである。そうすると暴れる 牛がでてきたのである。

もうおわかりであろう。消化しきれない動物性たんぱく質が子牛の脳、脊髄に沈着し狂牛病になったのである。 その時、脳、脊髄に付着した異種タンパクが「プリオン」と呼ばれるもので、この名前に聞き覚えがある人も多 いことである。


このことは2つの重大なことを示している。

その一つは自然の摂理を無視した人間の愚かさと罪深き浅知恵である。
もう一点は確かに牛は全て臼歯で犬歯が0という特殊性はあるが、人間もこの1/8ルールを守らなければ必ずや健 康を損なうという啓発である。 これは厳重に心に焼き付けておくべきと常に申し上げている。 後日の話に野生のチンパンジーの食事の中で動物性食物の占める%は5%である。そして野生のチンパンジーの 大腸内視鏡所見では、まったくポリープ、憩室等の異常所見は見られないのである。本当に「全く」である。 自然の叡智に学ぼう。英知ではなく叡智にである。 我々も所詮、動物である。そのことを忘れず謙虚に生きていくべきである。