目次 < 第26話 腸の不思議 >次の記事

第26話 腸の不思議


腸は第二の脳と呼ばれている不思議な臓器である。 小腸は一億個もの神経細胞を持っているが、そのうち脳とつながっているのは数千個で 脳との神経をカットされても、何の不都合もなく独立して機能する。要するに小腸は脳のストレスの影響を受けないのである。事故で脊髄を損傷しても、たとえ脳死の状態になっても正常に働く。 通常、脳の機能が完全停止すると数分から数時間で心配は停止する。 これは心肺機能が脳の支配下にあることを意味している。

しかし、生命維持装で呼吸さえ保たれれば、脳からの命令がなくても消化し栄養分を吸収し続ける。

腸には、たんぱく質、脂肪でんぷん質等、さまざまな成分の食物が同時に入ってくる。腸はその成分を瞬時に見分け消化吸収に必要な酵素の種類量を分泌させるのである。たとえば、肝臓に胆汁を出せと指令するのも、小腸の自己判断である。このこと一つとっても我々の体の凄さがわかる。大脳にかかわりなく細胞レベルで考えて行うのである。腸が第二の脳と呼ばれるもう一つの理由は、セロトニン(精神を安定させる神経伝達物質)の95%が腸でつくられるからである。
一方大腸は、脳と綿密にネットワークしていて、自律神経に支配される。 だからストレスまみれで癌も他の病気も多発する。これを「脳腸相関」という。 心臓が呼吸器等殆どの臓器が交感神経優位の状況下でその動きは活発となるのに対し、腸だけは副交感神経優位の状況下で活発になる。交感神経優位の時、白血球の顆粒球が増え、副交感神経優位の時リンパ球が増えることは衆知の事実であるがリンパ球の60〜70%が腸内にあることもリンパ球が副交感神経優位において活発になることを考え合わせれば納得がいくところである。 とはいうものの、副交感神経優位の状況が続くことが望ましいわけではない。あくまでも交感、副交感の両神経のバランスである。そのバランスは何によって保たれているかというと自然の摂理に則した生活である。我々人間も、自分たちが自然の一部であることを、一度思い起こす必要がある。

腸内は弱アルカリ

胃の中が強酸性であることはこれまた衆知の事実である。 しかし、腸内のベストコンディションは弱アルカリである。 この強酸性弱アルカリへの転換は十二指腸中に膵液が分泌されることによって行われる。 胃から十二指腸に流れ込んだ瞬間、強酸を中和させるために強アルカリの膵液がでるという仕組みになっているわけである。これまた、我々の大脳、意識とは全く無関係にオートマティックに行われる。 腸が弱アルカリなのは、腸で働く酵素全てが一定のアルカリ濃度で活性化するようになっているからである。 それ故、体自体が酸性に傾くことは、酵素活性の面からもトラブルの原因になるわけである。 すなわち、これまた消化不良、吸収障害の要因なのである。

体(血液及び組織)が酸性に傾く場合

1. 血糖レベルが高い。 ex 糖尿病

2. 高脂血症 

3. 肥満


体(血液及び組織)が酸性に傾くと確実に白血球、リンパ球の能力は低下する。 糖尿病の人は体が酸性である。だから白血球の能力は低下しており、細菌に勝てないのである。 だから、糖尿病の人は傷が出来ると治りにくく、化膿しやすいのである。話は簡単である。 一方で、リンパ球の能力も低下しているので発癌体質である。最近の内科医は糖尿病の患者さんに失明とか足の切断は合併症として話をするが行きつく先は発癌しやすいことを説明しない。

腸の話に戻るが、お腹を冷やすことほど健康を害することはない。暖を取るのが難しい時代は腹巻をしてお腹を保護したのである。お腹を温めることでセロトニンやリンパ球が増え、其々の能力が上昇するのである。 うつ気分になるのも、消化不良、便秘も消化不良によるアレルギーも、実はお腹を温めることで改善されることが多い。お臍を出している女性達は是非御一考いただきたい。